妊婦さんへ、(お手紙です)

〇〇さんへ、(妊婦さん)

コロナで検診やパパママ学級がなくなり、立ち合い、面会が厳しくなり、ただでさえ初めてのお産はわからない事だらけなのに、更に不安な気持ちでいっぱいですよね。旦那さんも自分に何ができるのだろう?と、分娩中もただ1人で待って祈っているのももどかしいですよね。

お産ドゥーラトして産前産後、そして分娩中一時も離れないで一緒にいるはずだった私もこんな今、何ができるのだろう?と考えています。

もちろんメールや電話で話したりなどはできますし、私もあなたの安産を祈っていますが、先日話したように、あなた自身が赤ちゃんと共に安心してお産に臨める事、そして決して1人でないという事を感じられるようになる事が一番大事だと感じています。

私自身は、1人目のトラウマとなるほど大変だったお産から3人目の幸せなお産をするまでにたくさん感じ、考え、学び、体験しました。そして、最も体感したのは、「幸せなお産とはどれだけ主体的に自分のお産に向き合い、選択し、整えたか」がとても大事なのでは、ということでした。

お産を体験する前までは物事に対して「頑張る」「努力する」「考える」が大事だと思っていたけど、今となっては、お産に関してはその逆の「手放す」「委ねる」「本能」などが大事だとわかります。そして、「自分自身を受け入れて、信じる」大切さが鍵だと!

私は医療従事者ではないので、医療に関してはわかりませんが、1人目のお産が自分にとって想像以上に大変だった事からずっとお産について考え、調べ、多くの人と話しました。そして、3人の子を総合病院、産院、助産院、と異なる携帯の病院で産み、一人一人のお産に対しての自分の向き合い方もお産自体も全く異なるものでした。

友達として、先輩ママ、お産ドゥーラ(お産を共に応援する人)として、こんな時にでも、こんな時だからこそ、自分でできることを伝えます。あくまでもこれは私の考えなので、色々な人の話を聞いて、自分に合いそうなモノを大事にしてください。


<妊娠中に大事にしたいこと>

  • 自分を満たす事:

この時期はとても特殊。ホルモンバランス、体調など日々変化していく。ママが満たされていないと、赤ちゃんにも周りにも影響がでるので、まずは自分自身をどうやったら安心、幸せにできるか日々自分を大事に過ごしてほしい。できなかったことよりも、できたことを褒めてほしい。自分の欲求や本音に耳を傾けてあげて、なるべく叶えてあげてほしい。そして、覚えていてほしい「私は生きていたら花丸!」食べて寝るだけでよいのだと。頑張ろうとしていた私も何度も「ゆったり過ごしてくださいね」と言われたものか。ゆったり穏やかに過ごそう。

  • 身体を整える:

正直、今の都会の暮らしをしていて、ポン!とこどもを産むのは結構厳しいと思う。クーラーや薄着で体は冷えていて、パソコン・携帯三昧で、寝不足、運動不足で食生活が乱れている人も少なくない。妊娠したからといってすぐに全てを変えられないかもしれないけど、ママのとる栄養が直接こどもに行くし、身体を整えるとお産、そしてその後の産後も変わってくる。まずは、できることから。身体を温める(レッグウォーマー、腹巻をする、砂糖を控えるなど)、股関節や身体を柔軟にしていく、体力をつける、よく寝て・食べて免疫力を上げる。産休に入って6週間だけマタニティヨガをやるよりも、早めから少しずつ自分にあった何かを見つけてください!耳が痛いだろうけど、仕事は他の人が変われるけど、これは変わってあげられないのよ。

  • 周りの人と話し、頼る!気になる事は調べて、自分で決める:

未知のお産、子育てに向けて大きな変化の前なので、お産だけでなく色々と不安や気になる事が浮上すると思う。これからは風邪ひいても休めなくなるし、薬も飲めないし、こどもに影響が出る。「私の問題」は家族の問題となってしまう。それなので、私も苦手な分野だけど、自分自身が倒れる前に、こどもや家族に八つ当たりしてしまう前に、気になる事は周りと話し、頼る、1人で抱え込まない練習を今から始めたい。そしてあなたにとって本当に大事な事は自分で納得が行くまで調べて、人の意見を聞いて、自分が最後は決めるのがよいと思う。特にお産は命をかけるので、医者・助産師に聞きたい事は聞いて、要望があったら伝えて、産前産後の事をじっくり丁寧に考える事をお勧めする。仕事や他の事も忙しく気になるだろうけど、もしかしたら一生に一度の命がけの体験になるかもしれないので後悔しないように時間とエネルギーを注ぐ価値は十分あると思う。

時々確認してみてください:

Q)私は自分を大事にできているかな?1日の終わりに自分を褒めてあげた?

Q)「自分は準備できる事はやったから、あとは天に委ねる!」と心底言える?

Q)1人で抱え込んでない?本当は誰かに聞きたい事があるのでは?


<お産中に大事にしたいこと>

  • 「陣痛の痛みや不安と戦う」→「痛みはエールと捉えて自然の波に身を任す」

お産はいつ始まるかわからない。お産の始まり方も痛みも人によって違うので、比べられない。でも、不安と痛みへの向き合い方、付き合い方は変えられる。私の場合、1人目のお産は陣痛アプリで時間を測り、痛みが来るたびに力を入れてこの痛みがいつ終わるのか?!と押しかける拷問と戦った。暗くて、長くて、終わりが見えず、死を感じるくらいだった。それと同じ陣痛のはずなのに3人目は何もかもが違った。痛みが始まった時は「ようやくきたか?!」と、待ち構えていた。肉体的には痛いのに、「あなた(陣痛)のおかげで、産道は開き、赤ちゃんが出やすくなってきている。○○ちゃん、あと少しであえるよー!」と、痛みをエールの波として捉え、陣痛のたびに、「はー、あー」と力を逃すような声を出しながらお腹の中の子に声をかけた。痛みを応援として受け入れていると不思議と恐怖はなく、痛みも緩和され、体も開きやすくなり、よくいわれるオキシトシン(幸せホルモン・ギリシャでは早く産まれるという語源を持つ)が分泌されているのか、動物としての自分の本能が活かされ、自然豊かな地球で赤ちゃんが誕生する感覚と繋がりやすくなる。陣痛・お産が始まるのは怖いかもしれないけど、赤ちゃんと逢うために全員が通る道なので、自分の好きな場所や音楽など自分が歓迎・感謝の気持ちになりやすい状態をお産前から意識し、当日はそこに繋がってもらいたい。これは帝王切開でも同じだと思う。

  • 「コントロールする・頑張る」→「委ねる・手放す」:

前段ととても近いけど、あえて繰り返す。お産は「コントロール」できない、そして「頑張り方」が通常と違う。特に痛みが強くなると「いきまないで!痛みを逃して!」と助産師さんが言う事が多い。正直全く意味がわからなかった。ただ、膣なのかお尻の穴なのか裂けないように誰かに抑えてもらわないと赤ちゃんが破れ出るのでは?!と恐怖だった。でも、そんな簡単に産まれるわけがない。「今7cmだからもう少し頑張ってね」など言われるけど、何をどう頑張るのかわからなかった。それなので1人目は言われた通り水を飲んだり、歩いてみたり、気を失わないように頑張った、でも身体が硬直して、全然お産が進まなかった。ようやく3人目のお産で、「頑張る」は「委ねる・手放す」、つまり「自分の中にある自然・本能つながる」事だとわかった。そうすると、心身柔軟になり、体もそれに答えてくれて、赤ちゃんも安心して産道を通りやすくなる。正直、この委ねて手放すというのは、現代人にとってとても難しい。だって今までずっと「頑張って」きたでしょ?でも、お産中は全てを手放し、自分と赤ちゃんを信じるしかない。「信じて祈る」みたいな感覚に近いかもしれない。

  • 「孤独」→「こんなにも応援されている」

お産中、身体としてはあなたと赤ちゃんが共に頑張っているかもしれない。でも、一歩外から見てみて。すると、あなたの家族、お医者さん、助産師さん、ご両親、ご先祖、友達、隣の部屋の妊婦、人類、地球、宇宙と全部が応援してくれている。戦争中、震災後、いつの時も人類はバトンを繋いできた。思った通りにお産が進まない事もあるかもしれない、それでも長い目でみたら何かしら意味があるのではないか?少なくても私はそう信じている。私の場合は1人目のお産のあと「今後、絶対にこどもは産むまい」と誓ったくらいだが、トラウマお産があったから、「幸せなお産は本当にあるのだろうか?」という問いが私の脳裏を離れず、3人目を授かったとしか思えない。まー、お産中は一歩外から見るゆとりなんてないかもしれないけど、世界では1分に140人近く、そして1日に20万人近く産まれているらしい。この瞬間あなたのようにお産中の人は何人いるのだろう?つまり、「あなただけでない。そして皆が応援しているよ!」と、どこかで覚えていてほしい。

お産のために準備すると良さそうなもの:

Q)自分がリラックスできる環境をなるべく整えられそう?

Q)お産中はちゃんとリクエストを出している?

Q)しんどい時に呼吸、妄想、写真、音楽など何かしら自分の拠り所となりそうなモノはある?


<産後に大事にしたいこと>

*書こうと思ったけど、正直産む前から産後って考えにくいですよね・・・それなので、いったん忘れてよいと思う。どうしても必要な物はオムツ、赤ちゃんの服数枚、授乳が大変だったら哺乳瓶とミルクくらいで、あとはどうにかなると思うので、パートナー、家族、周りの人などにやってもらえばよい。

一つだけ覚えておいてほしい。一番難しいけど、一番大事であなたしかできないこと・・・「休むこと!!!」理想は1ヶ月寝て過ごす。授乳、食事、トイレ以外は寝ている。詳細は今度書くけど、この時期休むかどうかでリカバリーの早さも違うし、その後のママの心身の体調に影響が出ます!私もなんど言われても癖で、つい携帯が気になり、何かしないと申し訳なく感じた・・・でもこの1ヶ月、休むのがあなたの一番の仕事です!


すごく長くなってしまったけど、最後に。
お産の情報は山ほどある。
もちろんそれらを見るのは大事だけど、情報に埋もれないで。
必要な、欲しい情報を選びとって、あとはなるべく自分自身を整え、少しでも安心してゆったりとした気持ちであなたらしいお産を迎える事を祈っています。

Best wishes, yuko